人生は変わらないけど深イイ話

競馬って素敵やん

 

しまった。もうこの方は深イイ話に出てないんだった。

というわけで、今回は職場で起きた深イイ話を。

今日もいつものように黙々と不毛で長い会議・打ち合わせの資料を無言かつ無表情で作成し、メンタルをすり減らす業務をしていたところ、事務所に置いてある無線から

「ネット投票の操作案内ができる方いませんか!?ご高齢のお客様が案内所にいらっしゃってます。」

という声が聞こえてきた。タイミング悪く操作案内担当の職員が会議に出席しており、その時に事務所にいたのは私だけ。というわけで、不安になりながらも小走りでお客様のもとへ向かうことに。

案内所に到着すると、そこには70歳くらいの陽気なおじいさまがいました。

客「悪いんだけど、最近スマートフォンというものを買ったばっかりで、ちょっと馬券の買い方を教えてもらえんかねえ。」

手には会員番号と利用者IDが書かれた紙を持っている。さて、どこから話し始めようか・・・

私「すみません、それではまずスマートフォンを使ってインターネットでSPAT4と検索してもらっていいですか?」

客「インターネットって何や?わし、カタカナは分からん!」

 

 

 

 

そこからかい!

 

 

 

 

 

というわけで、携帯ショップの店員になったつもりで話すこと30分。なんとか会員としてログインすることはできた。さて、ここからもうひと段階。

私「ではまず、どのレースを買いましょうか?」

客「今日の勝負はメイン!絶対に勝つキタサンミカヅキから3連単フォーメーション!その前に、運試しとして1レースを買う。フェスティヴデールから3連単マルチや。」

 

 

カタカナ使えてるじゃないっすか

 

 

普段は競馬場でマークカードを使って馬券を買っていることもあり、スマートフォンからでもマークカードのように投票ができる画面があること案内するとサクサクと入力が進み、あっさりと最後の暗証番号入力画面へ。

私「それじゃあ、私後ろ向いてますので、ここに暗証番号を入れてください。」

客「暗証番号なんて気にしとらんわ。兄ちゃんも一緒に見とってーな!暗証番号はXXXX!」

 

わかる。わかるよその気持ち。私も家に届いた住所が書いてあるDMとか、普通にそのままゴミ袋に捨てるタイプの人間だから。

 

そして、無事1レースの馬券を購入。なんとも言えない充実した達成感。ここまでくるとすんなり事務所へ帰るような雰囲気ではないため、少しばかりおじいさまと世間話をすることに。

話によると、大井競馬場には40年以上通っていたものの、少し前にガンが発覚。そのガンが身体中に転移し、なんとか手術で一命はとりとめたものの体力がかなり落ちたので、自宅でも馬券を買えるようにとスマートフォンの購入を決意したとのこと。

客「兄ちゃんありがとな!もう1人でも大丈夫や!これで死ぬまで競馬が楽しめるわ!」

ああ・・・久しぶりにお客様にありがとうって言われたなあ・・・この言葉のために必死に公務員試験勉強したんだもんな・・・

そんなことを思いながら事務所に戻り、あとはいつもと変わらぬ1日でした。

そして、今日のアフター5スター賞を事務所で見ていたわけですが、おじいさまの宣言通りキタサンミカヅキが優勝。相手までは聞いていなかったので、どうかどうかキャンドルグラスとサブノジュニアが入ってますように!と思う次第でございました。

 

競馬って素敵やん